人は人に磨かれる~人海へのダイブ~
知人(以下、Aさん)の紹介で「経済セミナー」「交流セミナー」というものに行ってきました。
飛び込み
2回しか会ったことのない人です。どんなセミナーなのかの情報はよく分からないまま、怖いもの見たさに参加したというのが正直なところです。
参加費だけは聞きました。セミナーあたり1500円、2つで合計3000円だったので行くことにしました。
前日になって「100人規模だが大人数は耐えられるか」とか「○○という映画を観てくる課題がある」とかいきなり言われたので、「今更・・・?」と思いつつも参加だけは決めていました。
結局映画は観ず。お金と時間がかかりますからね。どういう背景か分からないことにはやる気になれませんでした。
会場に着くとたくさんの20~30代がいました。しかも明るくて積極的な人たちばかりです。
Aさんに連れられて知らない人たちと何人も挨拶をかわしました。SEや建築士などのさまざまな職業の人がいたようです。
居心地の悪さ
朝10時、会場に入ってから気は休まることなく、結局16時までの6時間ずっとコンフォートゾーンの外側に居ました。
そこに集まる人々とは対照的に、私は人見知りですから最初かなり居心地は悪かったです。
よく会社の研修なんかで途中にグループワークが入ったりしますよね。あれがどうも苦手なのです。面識のある同期とのワークですら、どことなく億劫になるのに、まして見ず知らずの人となるとかなりのストレスです。
お察しの通りワークはありました。しかもたっぷりと。合計で8回くらいはやったのではないでしょうか。それも毎回違う人、知らない人と組んでです。
でもおもしろいもので、「ここはこういう場だ」と割り切るともはや何も気にしなくなっていきました。
ワーク
中でも印象に深く刻まれたのが、2分間で10個の「Yes」を引き出すゲームです。
知らない人と2人1組になって、相手の外見から思いついたことを質問します。質問は閉じたもの(YesかNoで答えられる質問)を発して、10個「Yes」を当てられたら成功です。
相手は両手を開いておき、「Yes」と答えるたびに指を1つ閉じていきます。
いざ本番。初めはペアの方が私に質問してきました。
ことごとく「No」と答えざるを得ない質問を前半に次々繰り出されて笑ってしまいました(↓)。
- どちらかというと寒い地方で生まれた
- お酒が弱い
- 理系だ
制限時間の後半に少し当たり始めて、結果は5問「Yes」を引き出してもらいました。
続いて私のターン、初っ端からうまいこと「Yes」を引き出せたのですが、1問1問を出すのに時間がかかってしまうという特徴がありました。
正答率は高かったものの、数は打てませんでした。しかしふたを開ければ見事8点。その方には勝利しました。
ワークの終わりには振り返りがあります。ペアの方と発表し合いました。
私が感じたのは自分の内面がうまく表現できていないということです。
見た目上「インドアっぽい」「理系っぽい」「お酒が弱そう」と言われがちなのですが、割とはずれが多いです。今回質問されて、改めてそれがハッキリしました。
「こういうふうに見えているだろう」と思って振る舞っていても、まったく期待通りにいっていないのだと気づきました。自分を素直に表現できるようになりたいものです。
そして質問を思い浮かべるのに時間がかかっていることにも気づきました。相手に興味を持って、それを言語化する練習が必要でしょう。
最後に、私は相手の特徴から内面を察知する能力がそこそこあるのかもしれません。確かに普段から人間観察はしていますし、スパイ的な資質でもあるんですかね。自分を隠して他人を暴くなんて・・・。
磨けるものを磨いておく
セミナーの中で興味深かったのが、人間性についての話です。
「人」に対して「道具、仕事、しくみ」というものは手段でしかありません。株や不動産で儲ける「しくみ」や、ものすごい肩書きの「仕事」といったものがいくらすごくても、人間性が伴わないとどうにもなりません。
職場が良くなれば、所有している不動産の価値が上がれば・・・と思っているうちはそれら依存しています。そこから抜け出して自立しなければなりません。
宝くじで高額当選した人は、まさにその好例ではないでしょうか。急に降ってきたお金という「道具」を扱えるだけの人間性が備わっていないと、耐えきれないのではないかと思います。
私の思うところであり、とある方もつぶやいていたことですが、ZOZO前澤社長に端を発する最近話題の「Twitterお年玉企画」も似たようなことが起こりそうだと感じます。100万円を手にする人の人間性に準備ができていないと、うまく受け取れないと思うのです。
「鬼に金棒」と言いますが、「素手の鬼」は強いのだとセミナーで聞きました。逆に金棒を持っていてものび太はのび太。多分素手の鬼には敵わないでしょう。
表面的なものではなく、本質である人間性をこそ磨きたいと思いました。
セミナー中で何度か紹介されていた『LIFE SHIFT』という本の内容を通しても、通ずることが言えます。
平均寿命がのびてきた人生100年時代にあって、今後定年が延長される可能性もあります。そうなったときに、たとえば80歳で働いているとして、若手とどう張り合っていけばよいのか。最先端のIT知識で張り合うのは無理があります。
でも人間性、コミュニケーション能力、チームワーク、リーダーシップなどは経験によって磨かれます。そこを若者との差別化として働けばいいのだと、セミナーで知ることができました。
おわりに
セミナーのスタッフは、参加者が持ち回りで担当しているようでした。
スタッフの課題本(必読本?)として『アウトプット大全』が設定されているらしく、会場のいたるところで目にしました。
私はかつて何冊か樺沢紫苑先生の本を読んでおもしろいと思っていました。しかし昨年出版された本作は未チェックでした。『LIFE SHIFT』ともども読んでみます。
やはりアウトプットって大事なんですね。このような強制アウトプットの機会に飛び込んでみることで、自分の知らない面が垣間見えた気がしました。
たった1回しか参加していないのに、少しだけ人に話しかけるハードルが下がったような感覚があります。「コミュニケーション能力は努力で伸ばせる」という言葉を胸に、人見知り体質の改善を図っていきます。