ネットワークスペシャリスト試験 リベンジ合格体験記
本日はIPA 独立行政法人 情報処理推進機構が主催する試験の結果発表日でした。
ちょうど2か月前に受けたネットワークスペシャリスト試験です。心拍数が120にも高まるのをNokia Steel HRで目視しながらチェックしに行きました。
結論は画像で示してしまいましたが、合格できました!
タイムリーなので合格体験記を記してみます。長いので覚悟してくださいね(3600文字超え)。
使った参考書
試験対策に使った参考書は、合計4冊です。とは言っても1回目の挑戦(2016年)で2冊すでに買っており、今回は2冊買い足したということです。
1冊目はこちら。
とりあえずは出題範囲の全体像を把握しなくてはなりません。1回目の試験準備のときは基礎知識、過去問演習をこれでやりました。
この本の良いところは、大量の過去問がWebでプレゼントされるという点です。
9年分の過去問&解説が、出版社サイトから手に入ります。さらには基礎知識の総さらい資料もあります。おまけがとにかく豪華なんです(当時)。
全体通して普通に真面目に書かれているので、学習当初はとっつきにくいです。しかし情報量が十分なのでこれ一冊でも場合によっては試験に合格できるのかもしれません。
2冊目以降はすべて左門至峰さんの本です。
ネスペ 27 礎 -ネットワークスペシャリストの最も詳しい過去問解説 (情報処理技術者試験)
- 作者: 左門至峰,平田賀一,山内大史,幸田廣信
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2016/04/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この方の本の特徴は、とにかく解説が分かりやすいことです。
「最も詳しい過去問解説」は伊達じゃありません。
SE娘(せーこ)という女性キャラも大きな特徴ですね。SE娘が仮想的な読者のような役割を果たし、「そうそう、それが疑問だったんだよ!」というような質問を的確に著者めがけて投げかけてくれます。
「○○という答えはダメですか?」とか「なぜ××なのですか?」とか、疑問形式で迫ってくるので読み手としても緊張感があります。
そして今年の挑戦では以下の2冊を新たに迎え入れました。
ネスペの基礎力 -プラス20点の午後対策 (情報処理技術者試験)
- 作者: 左門至峰,平田賀一
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2017/05/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ネスペ 29 魂 -ネットワークスペシャリストの最も詳しい過去問解説
- 作者: 左門至峰,平田賀一
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2018/04/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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『基礎力』の方は、H28年に発売された本です。実は昨年受けようと思って早めに購入したのですが、使うことなくおいてありました(受験申し込み忘れた年です)。
再奮起を誓って掘り出してきたこの本、はじめからギックリさせられました。
短い一問一答+解説というスタイルで基礎知識を身に着けるのですが、1問目が「イーサネットのフレーム構造を書け」です。
手が出ませんでした。確かに基本の基本、インターネット上を流れるデータの構造ですから、まずはそこから固めておいておかしくないのです。
でも、それを抜きにして小難しいネットワークのことばかりを勉強していた・・・。そんな反省がありました。意外と基礎部分があいまいなままで、ここまでやってきてしまったなと。
『ネスペ 29』の方は言わずもがなの詳しい過去問解説目当てです。やっぱり最新の過去問まで勉強しなければ、という思いでした。
1回目の振り返り
1回目もそれなりに勉強はしていました。
仕事終わりにカフェに行って、眠い目をこすりながら過去問を解いたり、基礎知識を習得したりしていました。
今思い返しても、よく頑張っていたなあと我ながら思います。
画像を見ていただければ分かるとおり、午後Ⅰで落ちました。午後Ⅰで基準を下回ったので午後Ⅱは採点されていません(午前Ⅰは同等資格保有につき免除)。
何が起こったか。実はたった1つのマークミスなのです。
午後Ⅰ問題は長文問題3つの中から2つを選択して回答します。選択した問題にマークをつければ採点対象になるというしくみです。
ところが何を寝ぼけていたのか、見直しもせずに私は問題選択のマークを1つ忘れたまま答案提出してしまったのです。
午後Ⅰ試験終了の合図とともにその事実に気が付き、汗が止まりませんでした。
「勢いでマークしようか」とも魔が差しましたが、ぐっとこらえて「今後一生の教訓にしよう」と思い直しました。しかし日々のあの努力が水の泡・・・悔しい思いは変わりませんでした。
2回目に向けてやったこと
そうは言っても結果を見れば午後Ⅰは答案1つ分が採点されており、それが25点だったわけです。
単純に2倍しても合格基準の60点には届いていません。きっとマークができていても突破まではいかなかったことでしょう。
そこで2回目となる今回の挑戦では基礎重視でいきました。
上述のネスペの基礎力 -プラス20点の午後対策 (情報処理技術者試験)が相当に役立ちました。
通勤電車の中で何度読んだことか・・・。1週目はマーカーを引きながら、2週目はシャーペンで答えを書きながら、3週目は2週目に答えられなかった問題に再挑戦しつつ正しい答えを赤ペンで書きながら、読みました。
おそらくその後も「あの分野についてあいまいだな」と思うところは繰り返し参照して自分のものにしていました。
基礎知識がしっかりしてきたら、1回目同様に過去問を解きます。左門先生のおおせに従って、「4年分3週」を目標に。
ただ、やっぱりかなり骨が折れる作業です。午後Ⅰは2問選択で試験時間が90分、午後Ⅱは1問選択で試験時間2時間ですから、集中力との勝負です。
それを試験本番でもない気の抜けた休日の午後などにやるわけですから、修行に等しいですよ。
それでも諦めずにやりました。・・・でも4年分3週はさすがに無理でした。3年分3週弱ぐらいにとどまりました。
1回目のときは2週以上していなかったと記憶しているので、これでも大きな進歩なんですけどね。
繰り返し解くと、いかに自分が分かっていなかったかが浮き彫りになります。
同じような回答をして間違えていたり、正解しても明確に回答基準が無かったり。
2回目はそういった地道なことに徹底的に取り組むようにしてみました。
それで午後試験2つとも7割取れたのだと思います。ちなみに過去問を解いていて「7割いったな」と思うことはほとんどありませんでした。本番ならではの真価が発揮できたのかもしれません。
やっぱり基礎が大事
対策において学んだのは、「基礎が大事」ということでした。
「当然」。そう一蹴してしまいそうですが、あらためて感じたことです。
IT業界で働いていて思うのが「意外と分かっていない」ということなんです。いや、業界を問わず人間の脳がそういうふうにできているんだと思います。
その基礎をしっかり固めておくことで、応用力が育ちます。
とりわけ午後試験は長文読解なので、暗記や小手先のテクニックで太刀打ちできるものではありません。そんな中、50字の記述問題に向かうときも基礎力が大事です。基礎力は、微妙な言葉選びなどにも現れてくるものなのです。
資格の持つ意味とは
資格取得は決してゴールではありませんし、それによって大きく何かが変わると期待するべき対象でもないと思います。
私の場合は会社から月給アップの補助が出るというメリットも大きく、そういう意味で価値はあるのですが、資格自体に価値があるかと問われれば甚だ疑問です。資格という分かりやすいしるしがゲットできただけにすぎませんので。
でもちょっとした能力の証明にはなります。
それなりの時間をこの分野の勉強に投資して、知識を習得したわけです。
2回目の基礎重視型学習は今にも役立つ知識となって残っています。ネットワークが専門のチームではないので「知識が弱い」と内輪で思われがちなのですが、それが少しは払拭できたような気分でいます。
もしIT業界にいるなら、ネットワークやシステムにかかわることがあるなら、試験に向かう努力だけでもして損はないです。ネットワークという難しくてぼんやりしていた巨大分野が、基礎力をつけるといくらか現実味のある目の前の話に変わると思います。
ごほうび
さて、公約どおり合格したので冷蔵庫をついに購入します!
年末年始の家電量販店ではセールなどやっているでしょうか。楽しみです。