依存してくる人との向き合い方
職場で隣の席の人の話をします。
外部記憶装置
40代半ばのその先輩は、実は私の配属当初のトレーナーを務めてくれました。
明るいキャラクターの方なので、おかげさまで私は萎縮することなくのびのびと成長できました。
これが冷たい先輩だったらと思うと…。本当に人間関係に恵まれたなと感じています。
1年ほどすればそんなトレーナーからも巣立ち、一人で(もちろんまわりとは協力しつつ)仕事をこなすようになります。
早くもそれから3年の月日が流れました。
トレーナーとしてたくさんのことを教えていただきましたが、今や逆にたくさんのことを聞かれて答える毎日です。
その方、かなり忘れっぽい性格なんです。
反対に私は、性格の細かさが記憶の細かさにも現れます。
その二人が、元トレーナー・トレーニー関係だったというのを引きずってか否か、何度席替えしても必ず隣に配置されるのです。
その結果、ものすごく小さなことでも「とりあえず聞いてみよう」という感じで話しかけられまくります。
たとえばイントラ(社内向け)サイトへの資料アップロード方法とか、Wordの使い方とか、仮想化製品の技術仕様とか、電話転送の設定方法とかです。
しかも一度聞いたことをメモしてくれないので、繰り返し尋ねられます。
※(彼の名誉のために、)電話転送については一回で覚えてくれたみたいです。
口癖は「忘れたらまた聞くかもしれない」です。
まあ確かに、メモしたとしてもその場所を忘れそうなのでこれにも納得してしまいそうです。
「覚えられない」という自己暗示にかかって本当に物忘れが自他ともに定着してしまったのでしょうか。残念ながら物忘れキャラが周知の事実、笑いの種となっています。
と、ある意味時間を盗まれまくっているのですが彼の情報収集効率にはいくらか貢献できているのかもしれません。私の効率は落ちても課として見たときにプラスならいいですけど…。
さて散々書いてきましたが決して悪い人ではありません。
めんどくさがりと物忘れが激しいことを除けば持ち前の明るいキャラクターで周囲を賑わすムードメーカーですし、理系出身なので責任分界点の線引きなんかはきっちりしています。
だから私から強く言うことはできません。もっとも、先輩ですから「一回しか言わないのでメモしてください」とはなかなか言い出せません。
「新人だったら絶対指摘されるだろうなあ」などと密やかに思いながら、聞かれたことには心を無にして答える毎日です。
依存と相互依存
端的に言えば、その人は私に依存していると思ってしまいます。
いやもっと言うと周囲の人々に、かもしれません。かなり頻繁に席を立ってほかの人の席に質問しに行っているのを見ます。
依存→自立→相互依存
このようなステップをたどるのだと聞いたことがあります。
自立すなわち「1回で覚える」とか「自分でまず調べる」とか、そういうことをしてもらえるとこちらも協力しやすい心持ちになるような気がします。
自立している人がお互いに協力して個々以上の力を発揮できるといいですよね。
頼られる人間
違う視点からすれば、少し嬉しい面もあります。
それは、私が頼りたくなる人間として周囲に映っていることです。
思い返すと2年目の頃、新人がたまたま同じ課に配属されて早速の後輩ができました。
研修では成績が良かったらしく、自分で何かと調べてできるタイプです。
その後輩にもトレーナーは付きましたが、私ではありませんでした。とは言え私とその後輩は年齢が1つしか違わないわけです。
もちろん上司は私にも、後輩への面倒見を要請していました。
ところがそれほど頼られることがなく、一人でスイスイと仕事を進める後輩…。少し寂しくなりました(深刻な意味ではなく)。
そんなこともあって、頼られるというのは嬉しい面もあるのです。自分には頼る価値があるということです。
特にスパッと的確に回答できたときが爽快ですね。褒められることもありますし。
まとめると…
- 他人はさておいて自分は、相手の時間を大切にする。
- 相手に時間を奪われてもそれを前向きに捉えて最善を尽くす。
- 頼られることは自分の能力の証明になる。
こんなことを感じている最近です。