オプトアウトの罠と現状維持バイアス
常々思っていることですが、「オプトアウト」を最初にやり始めた人ってすごいですね。商魂がオーラで見えるかのようです。
巧みな誘導
オプトアウトは簡単に言うと「要らなかったら外してください」形式のもののことです。
参考:https://wa3.i-3-i.info/word12520.html
携帯電話を契約したときに「契約時には強制加入ですが初月無料なので、要らなかったら解約してください」と言われるサービスがそれに当たります。別に入りたくない動画サービスやヘルプサービスなど、ありますよね。
これの上手いところは「めんどくさいからそのままでいいや」と思わせるところにあります。
解約するには一応規約を読んでみたりして余計な違約金がかからないように気を配る必要がありますし、そもそも解約方法がWeb経由でできるのか電話なのかなど確認するのも頭をもたげます。
そういう解約をめんどくさがったサービス、私にもいくつあったことでしょう。そしていくらお金を落としたことでしょうね…。
※ちなみにこの2、3年は無駄なお金を使わないように割と気をつけて不要なサービスは解約するようにしています。
現状維持バイアス
人間は変化を好まないものです。
現在特に不自由していなければ、そりゃあ新しいことをする気にはなれませんよね。新しいことをするにはエネルギーが要りますから。
まだ読み途中ですが毎度おなじみ『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』にそのことが書かれています。
「現状維持バイアス」があるために株式投資で市場動向に合わせてポートフォリオを変えない人がいます。これでは好ましい投資利益率を達成するのは難しいです。
感情の分離
一方この現状維持バイアス、逆手に取って利用することもできます。
それは貯蓄の仕組みを自動化することです。
多くの人が長期的には理性的判断ができるのです。これは脳の前頭葉が働いています。「病気にならないよう、食事に気をつけよう」とか「お酒は飲みすぎないようにしよう」とか、遠く未来の自分をいたわることはできるんです。
ところが目の前の美味しそうなデザート、あるいは疲れたときにスーパーに立ち寄って目にしてしまったビール缶には抗い難いものがあります。これは辺縁系の働きです。
辺縁系は自分の身を守るために遥か昔から備わっている機構なのに対して、前頭葉は比較的新しい部分らしいです。本能に深く刻まれたシステムには勝てませんね。
さて話をもとに戻すと、お金に関する意思決定も同じです。
「引退後の生活資金は大事」こんなことは頭では百も承知です。でもその反面、私は懲りずに目の前のワインに手を伸ばし、レジに並んでしまいます。お酒のために月いくら使っているでしょうね。
気付いたらお金が無くなっていて貯金できない、なんていう悲劇を避けるために現状維持バイアスを使いましょう。
ズバリ給料天引きシステムを作るのです。
これにより自動的に貯金された後のお金で生活するように強いられます。しかも変更をかけるには銀行に申し込まなければなりませんから、ちょっと面倒です。
こうして貯金が「現状維持」されていくのです。
使っていいお金が目に見えて増えれば、それだけ余分に使ってしまいたくなるものですもんね。枠を決めればそこまで(消費を)頑張ってしまうという習性があるようです。
何の本か忘れましたけど最近読んだ本の中に「会議時間を45分に設定する」という時間術が紹介されていました。
その狙いは「1時間という、何となくで選びがちな時間枠の概念をぶち壊す」ことです。妙案だと思いました。
言われてみれば確かに、10:00から会議を始めても10:15から会議を始めても、11:00には「そろそろ…」という気持ちがしてくるのではないでしょうか?
結局は心持ち次第で少しくらい効率が高まることはあるのです。きっとお金も一緒なんですよね。
具体策
ということで、私もNISA口座を開設した証券会社の口座に毎月お金を振り込むことにします。
単に銀行口座で眠らせておいてインフレで価値が目減りしても嫌なので、小さく長期投資をそろそろ始めようと考えています。
給料の入る口座→証券会社の口座→積み立て投資(一般NISA)
という方法です。
事前準備として、先ほど(NISAではない)普通の投資信託への毎月5000円の買い付けをストップしました。代わりにNISA枠で積み立てをやっていきます。月30000円ぐらいで考えてます。