レシピを見ないで作れるようになりましょう〜座学編〜
日曜の試験が終わったその日に、ずっと読みたかったこの本を買いました。
- 作者: 有元葉子
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2017/12/16
- メディア: 単行本
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そして今日、読み終えました。とても勉強になりました。すぐに実践したいものがあり、これから帰ってやってみるつもりです(トラブル対応で帰りが遅くなりましたが…)。
■料理の舞台裏
読んでいて勉強になることばかりだなあと思ったのは、きっとインターネット上のレシピサイトにはここまで書かれていないからでしょう。
料理の原則とでも言うべきことがたくさん書かれていると感じました。
本自体は「野菜を揚げる」とか「魚を焼く」といったように、個別具体のシチュエーションに合わせてアドバイスが紹介されています。
しかし、複数のシチュエーションにまたがる原則は繰り返し述べられていたりします。そうした中から、特に発見になったものをいくつか、私なりの言葉で箇条書きにしてみます。
・味つけよりもまずは食感にこだわる。
食感に焦点を当てて料理と向き合ってみることです。
・野菜は炒める前に水を吸わせて元の状態に戻す。
土に生えていたときの状態に戻す作業です。炒める際、野菜自身の水分を加熱して火を通します。
・揚げ油は一つの材料。悪くなったらすぐ捨てる。
最終的に口には入らずに捨ててしまう揚げ油ですが、それは過程において必要な材料です。素材を揚げるという役目を果たしたのであれば惜しまず捨てます。
・たんぱく質の素材で味を出す。
肉や魚に味をつけ、野菜には味をつけないという分業です。うまみを出すためにたんぱく質を加えます。
・そのときの気分で自由に味つけする。
食べたいものは日によって変わります。味つけも、型にはめすぎず臨機応変に行います。
・過程が美味しそうなら結果は当然美味しい。
調理過程で見た目に美味しそうなものは、出来上がりも美味しそうです。もちろん実際に美味しくなります。
■マーベラスマーブル
挙げたもののうち「たんぱく質の素材で味を出す」に関連して思い出したことがあります。
子どものころの私は、何かと混ざった状態のものが好きでした。
と言っても思い出せるのはカレーライスとヨーグルトとコーンフロスティぐらいなんですが。
カレーライスは、出されたらまずルーとライスをグチャグチャに混ぜていました。
ヨーグルトにかけるフルーツソース、はちみつなども同じくしっかり混ぜます。
コーンフロスティに至っては混ざるものではありませんが、コーンフレークを牛乳に浸して、すべてフニャフニャにしてから食べるのが好きでした。
一つの料理内で味や食感にばらつきがあるのを看過できなかったんでしょうか。今となっては分かりません。
ところがいつしか分離の美学に目覚めました。カレーも、ヨーグルトも、コーンフロスティ…は食べなくなりましたが、味にばらつきがある状態がむしろ美味しいと感じるようになりました。
食感、味つけともにです。
この経緯をもとに先の本を振り返って、たんぱく質=味担当、野菜=食感担当というのは理にかなっているなと気づきました。
なぜ分離が素晴らしいのか、それは味覚が鋭くなって口の中で変化を楽しめるからではないかと思います。
子どもの頃はそれができなかったのでしょう。赤と青を混ぜたら紫になりました。でも今は複雑なマーブル模様を描き、楽しむことができます。
それなのに、普段の料理ではまったくそんなことを意識できていませんでした。食感へのこだわり、素材へのこだわりといった料理原則を知った今、一つずつ試してみて、さらなる探究を楽しんでいきたいと思います。
「座学編」と銘打ってしまった手前、「実践編」も書かざるを得ませんね。しばらくお待ちください。