ぶどう畑に踏み入れて
いよいよワインの話をしましょう。
■入学
書店で本を眺めていたら、気になるのを見つけました。
- 作者: 小久保尊,山田コロ
- 出版社/メーカー: サンクチュアリ出版
- 発売日: 2015/11/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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立ち読みで引き込まれた私は、すぐさま購入を決意しました。(が、中古を調べたら安かったので、ネットで注文しちゃいました。)
著者はれっきとしたワインソムリエで、千葉県でワインバーを経営している方です。でもオタクなのです。
ギャップが素晴らしいですよね。
この本は漫画半分、文章半分みたいな構成となっています。
漫画にはストーリー性もあり、ワイン初心者のサラリーマンが知識を身に着けていくという内容です。ネタバレにもなるので詳しくは読んでみてください。ストーリーも好きです。
特徴的なのは、ワインに使うぶどうの品種が擬人化されている点です。カベルネ・ソーヴィニヨンは優等生男子、ピノ・ノワールは上品な女子、シャルドネはみんなに人気な明るいアイドル…などなど。
このように学生としてキャラ付けされており、イラストから受ける印象で何となくワインの味が分かるという素晴らしいアイディアなのです。
もちろん文章でも知識を学べます。ワインの認証(AOC/AOPやDOCG)や産地の話など、補助イラスト付きで分かりやすいです。
そのまま説明するのでは淡白な内容も、著者の手にかかれば巧みな語りでおもしろオタクから説明してもらっている感じが出ます。読みながら普通に笑ってしまいます。
一読してワインへの興味が増した私は、それからというもの色んなワインを買って味を比べるのが楽しくなりました。
影響を受けてちょっと高めのグラスを、と言ってもタンブラーですが、買ってしまいましたね。有名なリーデル社のワインタンブラーです。
正直グラスが変わるだけで味に違いが出るのかは今の舌では判別できないのですが、雰囲気だけでも重要な気はします。
ワイン、それも特定の品種を飲むだけのために良いグラスを用意して、いざ飲む。これだけでスペシャルな気分になります。
こうしてワインが好きになったのですが、まだイマイチ認証についてよく分からなかったり、膨大な数の産地・品種や手付かずの外国語に切り込む目処は立たず…。数か月が流れました。
■選択授業
- 作者: 渡辺順子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2018/09/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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書店でかなり宣伝されているので目についたのです。こちらは対照的にすべて文字です。
簡単に言うと、こちらの本からはワインにまつわるエピソードを学びました。歴史を学ぶことでそこに生命が宿ったような生きた知識になりました。
すると自然に産地や外国語も身に着くんですよね。たとえば「ボルドー」が一番有名な産地で、「ブルゴーニュ」の中に「シャブリ」地区があって、「アルザス」はドイツに近いです。「シャトー」はボルドーの生産者のこと、「ドメーヌ」はブルゴーニュの生産者のこと、「レゼルバ」は通常より長い熟成期間、「ヴィンテージ」は生産年のこと…などです。
産地って大事ですね。でも遠く離れたフランスの土地をちゃんと考えたことなんてありませんでした。「この地区で高級ワインが生産される」というようなお決まりの場所がたくさんあるのです。そうした産地だけでも覚えていれば、ワインラベルを見る目も変わります。
エピソードも、どれもおもしろいです。五大シャトーの生産者が海外進出に乗り出したり、新世界のワインがいきなりブラインドテイスティングで高評価を得て盛り上がったり、新世界から旧世界に進出しようとした生産者が旧世界の国民から反発を受けて断念したり。
ワインで笑ったり泣いたりできる人たちがそこにはいて、たくさんのドラマがあります。
その熱をかぶって、私もワインがますます好きになりました。以前にも増して飲んでますね。
1000円台のワインばかり買っているのですが、たまにはボルドーの5級シャトー(安くて5000円台)とか、シャブリのプルミエクリュ(安くて3000円)とか、少しずつ試していきたい所存です。
あまり手を出していない新世界、特にカリフォルニアワインにも挑戦したいです。機会があればオーパスワンや、カルトワインなどの高級品も…味を知るのが楽しそうではあります。
これだけ飲んでいてとりわけ気に入ったワインが1つしか見つかっていないということは、「金を積め」ということなんでしょうね。
唯一飲んだ瞬間に「これは!」と思ったのが2000円の赤ワインです。
www.v-yamazaki.com
言語化はできないのですが…何かが違いました。
ぜひ飲んでみてください(ジュース的美味しさではなく大人の美味しさです)。
とっておきのワイン探しを続けていきます。
ぶどう畑に踏み入れて〜プロローグ〜
絶賛ワインハマり中です。
先日は一人で一本空けてしまいましたね…。
さて、どうしてこうなったのかを書いてみます。
■酒遍歴
初めは大学のサークルの飲み会などで、甘いお酒をよく飲んでいました。
ビールは苦手だったので、梅酒とか何サワーとか。飲み始めた頃はなんだか肩のあたりが気持ち悪くなったりしていました。
まるで洗礼だったかのように、それもすぐに過ぎ去ると今度は凝り始めました。「肩が」ではなく、「お酒に」です。
当時はウォッカにハマっていましたね。色んな種類のウォッカを買ってきてはモスコミュールを作って飲んでいました。そのためにライム果汁やライムそのものを買ったりもしました。
自作モスコミュールは美味しいですよ。
少しするとヨーロッパ旅行を経てビール好きに進化(?)します。パリで飲んだLeffe Blondeというビールのおかげで世界が広がりました。
www.belgianbeer.co.jp
日本でよく見るピルスナータイプに比べて、味が豊かでした。そうした違いもあってか、刺さったのだと思います。
ドイツやベルギーも周遊したのでつかみはバッチリ。すっかり一般サラリーマンを追い抜かしてビールファンになりました。
日本でもクラフトビールにハマり、常陸野ネストビールとかヤッホーブルーイングとか、専門店でしか飲めないものをたまに飲みに行きました。
ちょうど日本のクラフトビール界が盛り上がり始めた頃だったような気もします。完璧なタイミングですね。
そして今度は日本酒です。新潟旅行に行ったとき、佐渡の「天領盃」に出会ったのが大きいです。
出会いの日、新潟駅にある「ぽんしゅ館」にいました。お土産売り場と併設された日本酒飲み比べの場では、いくらかお金を払ってコインがもらえ、そのコインで好きな日本酒を少量飲めるのです。
数多ある日本酒をこれでもかと試しました。ですが…大きい声では言えませんが好みの銘柄にはたどり着けず。
直後、お土産売り場に戻ったところ、試飲を勧められて「天領盃」と出会ってしまったのです。
衝撃的な美味しさでした。明らかに今まで飲んだ日本酒の中でダントツに美味しかったです。「これだ!」と一瞬で購入を決意。
コシヒカリや山田錦などから作ったお酒も売っていましたが、試飲したのは「越淡麗」という珍しいお米から作られていたので、「越淡麗」のものを選んで2つ購入しました。
「天領盃 純米」と「天領盃 純米大吟醸」です。後者だけでもリンクを載せておきます。
新潟限定と聞いたように思いますが、今や東京でも買えるんですね。調べている中で気がついたので、今度買います。
tenryohai.co.jp
日本酒が好きになり、専門店に行ったり物産展で買ったりするようになりましたが、ここで糖質制限と出会います。
ご存知のとおり糖質制限は食事メニューが大変わりしますから、糖質の多いものが軒並み駆逐されていきました。
サワー、梅酒、ビール、日本酒さようなら…。
じゃあ代わりに何を飲むか?となったときにハイボール(ウイスキー)と焼酎が登場します。
蒸留酒コンビのおかげで糖質無しでも楽しめるお酒の世界が開かれました。これは糖尿病患者からすると大発見です。
これまたちょうどその頃も、日本ウイスキーの時代が到来を告げていました。「マッサン」です。
テレビが無いですから見ていないのですが、NHKドラマで日本ウイスキーに関する物語が放映されていたんですよね?
角、白角、富士山麓、ジャックダニエル、ワイルドターキー、ジョニーウォーカー黒赤、グレンフィデック、知多、白州などなど…たくさん試しましたね。
結局白州が至高、というところに行き着くのですが人気すぎて販売停止の悲報。それでも諦めきれずに潜在意識で探し求めていたのか、なんと先日再会を果たしました!
ウイスキー欄を眺めていたら定価で在庫があるという稀有なショップがありましたのですかさず購入。
あの爽やかな香り(これを私はいわゆる「ピート感」だと推測しているのですが合っていますかね?)が最高ですよね。
焼酎についてはさほどでもないです。ただ、宮崎に行ったときに黒霧島と霧島があったので、2リットルパックで1本ずつ買って帰りました。
「霧島」は黒でも白でもない、無印の霧島です。オリジナルはこれらしいですが、今や製造されていないとか。たまたまそのときは宮崎限定で再販されていたものが入手できました。
希少価値バイアス感は否めませんが、黒霧島よりもクセのない味がして美味しかったような…。
■次なる世界へ
ここまで勢いで書いてきましたが、引くほど飲んでますね。びっくりです。
こんなにもお酒が好きだったのかと自分を再発見した気分です。親がアルコールに強くて良かったです。
正直ワインについて書く気で始めたのですが、まったく書く余白が無くなるほど語ってしまったので後編に譲ります。
ひとまず言えることは、上に挙げたお酒は一つ残らず今でも好きなので、酒に貴賤なしですね。
新天地さがし〜大岡山、洗足、西小山編〜
先日晴れた日に、次に住みたいエリアを歩いてみました。
今の物件の契約が再来年6月まであるので、気が早い話ではありますが。
通勤時間を減らすためのプロジェクトですね。
早速、スタートです。
■大岡山から出発
素晴らしい陽気です。資格試験も終わったので心も晴れやかでした。
さて、ここから目黒線になんとなく沿って北へ進みます。するといきなり商店街があります。
スーパーはあまりなさそうです。学生街ともあってラーメン屋などが豊富な印象でした。
ところがここで、気になる商品の陳列(店の外)を発見!
爆安ビターチョコレートがあるではないですか。賞味期限が近すぎましたけど…。
でもこの安さには可能性を感じたので、まんまと入ってみました。
店内は外国産の商品がいっぱいで、結構好きな雰囲気の店でした。そして、やっぱりありました。激安ビターチョコレート。
ついつい2つ買っちゃいました。本当は80%超えてくるくらいのが好きなんですけどね。
それでも賞味期限も来月中旬くらいまであって2つで500円ほどという安さにはやられました。
お店の外観はたってシンプルです。
チョコレートを入手してからというもの、ひたすら頭の中の地図と路上の地図を頼りに次の駅まで歩いてみました。スマホの地図を見ないというのがコンセプトです。
なんとかお隣洗足駅にたどり着くことができました。商店街を抜けたあとは大通りをずっと歩いていたので面白みもなく…。
大変質素な駅です。北の方を見やると高層ビルかはたまたタワーマンションかという建物が見えました。
駅からあえて線路を外れて西側ルート(そんなものはありません)をたどります。
なんとなくペット関係のショップが多いような気がしました。セレブたちが飼っているんでしょうか。
そう、基本的にはこの辺りは高級車がブンブン走り回る、セレブな住宅街のようです。正直賃貸物件は少なそうでした。
途中、料理に使えそうなハーブが植わっている建設中の公園があったり。
洗足から西小山までの間も、西側ルート=住宅街を通ったおかげで特筆すべきことは何もありませんでした。ただただ治安が良さそう、以上です。
ハロウィン関係のお祭り騒ぎで西小山駅に向かって伸びる通りが賑わっていました。将来渋谷の舞台進出に有望なハロウィンキッズたちが仮装して闊歩していました。
というのは大嘘で、純真の権化でした。
西小山駅はコンパクトな駅でしたね。駅を挟んで南北?東西?に賑わっていそうな通りがあり、駅にはスーパーと広場があり。
ここからいよいよ本命の武蔵小山へと向かうのですが、長くなったので後編とします!
精神的葛藤の有無
昨日はおよそ1ヶ月ぶりではないかというボルダリングに行ってきました。
やっているとすぐに前腕がパンプしてきて、「頻繁にやっていた頃はもう少し持久力があったのに…」と悲しくなりましたが自己責任ですね。
ですが、初見で登れた4級課題、5級課題がいくつかあったのは良かったです。
おそらく鈍っている部分は前腕で、肩や背中や指は成長していたんじゃないかと思います。なぜなら家でぶら下がってトレーニングしていましたから。
実践は久しぶりだったため、体幹や前腕などの部位は自宅トレーニングでうまく使えていなかった=成長どころか退化していたのでしょう。
■限界性能
ジムに行くと環境が力を引き上げてくれます。
まずそもそも課題があります。登りきるにはどうすればいいか?と試行錯誤します。
ゴールが明確なので、そこに至るまでの到達率が上がっていく過程が楽しく、また力も発揮できます。さっきはゴール2つ手前で落ちたのに、今度はゴール1つ手前まで行けた…などです。
当然のことかもしれませんが、ゴール1つ手前がもっとも力を発揮できます。課題を登りきるというチャレンジにおいて、成否を分けるのはそこなのですからね。
昨日も限界を超えて力を発揮したなと思う局面がありました。5級課題でしたが、ゴール手前で最後の一手がとにかく出しづらいのです。
ボルダリングはパワーでどうにもならない局面がままあり、バランスも大事なスポーツなのです。
その課題はまさに、ゴールのホールドを取ろうとして不安定になるという難しさがありました。
ですが、私は「5級課題で落ちている場合ではない」とか「あと一手、勇気を出せば行ける」という精神的葛藤を経たのち思い切って勢いよく手を伸ばしました。
なんとか、届きました。
この一瞬の葛藤、不安定のち安定がまさしく限界突破の証だと思います。
余談ですがこういう局面が非常に多いので、子どもの成長にきっといい影響を与えるスポーツに違いないと考えています。つまり簡単に諦めないという精神力の養成ですね。
さてさてもとに戻ると、限界を超えた力は声援によっても起こります。たまに知らない人が応援してくれたりします。
声援とはちょっと違う点で、「周りに見られている」感覚も大事だと思います。
これらさまざまな環境要因によって力が引き出されるので、ジムでトレーニングするのは効率的だなと感じます。
■楽に逃げる
では一方、自宅ではどうか。
課題はありません。人目も、声援もありません。
ということは限界を超えた力が引き出しにくいということです。
自分を追い込みにくい環境なので、思ったより筋肉に負荷がかかりません。
私がやっているのは、せめてもの課題と思って10秒指先でぶら下がり→そのまま3回懸垂という、「ゆる課題」です。
バーチャルな課題を作ることはできますが、力は思うように出ず、よほど有り余っていない限り懸垂1回時点で力尽き、諦めて壁を離れます。
そんなことを複数回行って、罪滅ぼししています。
しかしこのぐらいのゆるいトレーニングでも毎週何回もやっていれば力は付くものですね。
ジムのトレーニングボードで懸垂したら、今までよりはるかに楽に身体が上がって楽しかったです。実は家の垂直壁よりも、ジムの傾斜壁の方が脚の前方に障害物がなくてやりやすいのです。
そんなこんなで、ジムも自宅もともにメリットはあります。併用して強くなります。
早速明日もジムに行ってきます。
見た目より機能
- 作者: 筒井美希
- 出版社/メーカー: エムディエヌコーポレーション
- 発売日: 2015/07/31
- メディア: 単行本
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昨日この本を読み終えました。
Amazonの本ランキングで高かったのでどんな本だろうと、一部試し読みできるページを読んでみたところ面白そうだったので買いました。
どうすれば効果的なデザインになるのか?
色の使い方、フォントの使い方、写真の使い方…などなどフルカラーで書かれており目に楽しい本でした。
仕事柄、資料を作ることは多々ありますから役立てたいところです。
■まずターゲット
効果的なデザインをするにはなんと言っても目的が大事です。言われてみれば当たり前なんですが意識できていないなと感じました。
普段作る資料で、「こういう人たちが読むことを想定して、色使いを暖かめにしよう」とか、「本文は一行の文字数が30程度になるようにしよう」とか、全然考えていませんでした。
すべてフィーリングです。目的なく「きれいだから」「かっこいいから」といった感覚です。
本書には同じことを表現するデザインにも「いいね!」の例と「惜しい!」の例が載っていたりして比較しやすいです。
細かい気遣いが効いてくるなあと感心させられました。
特に驚いたのは、破線を使うときに対称性を保つという美意識です。
四角い枠を作るときには、四隅が対称性になるように破線の長さ(途切れ具合)を調節するのです。
普段手順書を作っているときにここがずれてしまい、「なんだか気持ち悪い」と思っていたのが見事に言語化されていました。
こうした細かいポイントはいくつもあって、さっと読んだだけでは身に着かないので、事あるごとに取り出して参照する本にしたいところです。