言霊の厳令
■雀の一声
このブログに確か以前書きましたが、会社(全体ではなく部門レベル)で新技術研究プロジェクトというものが走っています。
あ、いやもしかすると以前書いたのは会社全体のビジネス企画コンテストだったかもしれません。それとはまた違うものです。
その部門レベルのプロジェクトは昨年に始まったもので、第1期が終わったばかり。第2期の素案募集メールが流れてきていました。案自体はプロジェクト外のメンバーからも広く集めるためです。
そこで私はすかさず、(メンバー外でしたが、)いくつか気になっている技術を上げてみました。
待つこと数日…。
今日返信が来て、4つ出した案のうち1つが採用されていました!
案を送ったときは、「これを出して採用されたらメンバーになってしまうんだろうか」という憶測を立てていましたが、特にそういうお声はかからず。どことなく安心に似た思いを抱きながらも案が採用されたことを純粋に嬉しがっていました。
と、そのとき、マネージャー(直属の上司)からメールが届きました。
課員全体に向けて、
「部門全体での新技術プロジェクトをまたやります。参加したい人はテーマを指定して希望を出してください。なお、ホウク(仮名)さんは素案が採用されているのでメンバーとして参加してください。」
というメールでした。
驚きとともに、嬉しかったです。きっと、プロジェクトの取りまとめの人(他課マネージャー)のさらに上にうちの課のマネージャーがいるので、メンバー選定などはそれらの方々が話し合って決めるのでしょう。で、課員としてすんなりメンバーになってしまったんじゃないでしょうか。
メンバー募集要綱を見ていると、「若手でもいいが、専門外の分野を学ばせる意義がある有望な人財」などなどハードルを上げる文言が多く、それだけに選ばれたのは評価されている感じがして良かったです(まだ何も始まっていませんが)。
ところで私が参加するのは「効率化」というテーマです。
思えばこれまで個人の仕事の中や課の中ぐらいでしか効率化の声を上げられていませんでしたが、小さい声を上げ続けたらこうなりました。
ラジオパーソナリティの鷲崎健さんもよく言っていますが、「やりたいことは公の場で言っときなさい、誰が聞いてるか分からないから」というのが実感できました。
言葉にして人目にさらすことで自分の方向が修正されていくのだなと思います。
他のところでは、夏休みの宿題として掲げた課題なんかもまさにそうですね。一部、難航していて大学生並みの夏休み(9月末ぐらいまで)をもらってクリアするかもしれませんが…。
「書いたからにはやる」という効力ってきっとあると思います。
■逆説的因果
このことは、「人に見られているから」という他者を意識しての効果はもちろん、ひとりでに発動もするんじゃないかと考えます。
というのも、脳のはたらきについての話から来ています。
以前、脳科学者の池谷裕二さんの講演を聞いたことがあります。そのとき、感情から行動が生じるのではなく行動から感情が生じるのだと聞きました。
つまり、「楽しいから笑う」のではなく「笑うから楽しい」のです。有名な実験も紹介されていて、確かにどこかで聞いたことのある話ではありましたが、それを明確に知ったのは池谷さんの講演でした。
さらに、『データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則』を読んだときにも興味深い内容がありました。
データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則
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身体に身に着けるウェアラブル端末を使って人の行動を計測したところ、何かをし始めるとだんだん勢いがついていくと分かりました。逆に少し停滞することがあると、だんだん停滞の度合が増します。
こうした知識を総合して、「書いたからにはやる」の2つ目の側面として自己意識への影響が考えられると思ったのです。
すなわち、「書いた(行動)からやりたくなってきた(感情)」「書いた(行動)からやり始めた(勢い)」という具合に。
心理を活用してうまいこと色々自己実現していきたいと思います。