Polyunus

ポリウーヌス(多と一):「日々改善」をモットーに、1型糖尿病患者が多面性を表現し、磨きをかけるためのブログです。

健康は病から

持病の話をします。

高校1年生のとき、1型糖尿病を発症しました。それから約10年になる今でも治療を続けています。

根本的な解決方法がない、不治の病です。

■ビフォー
糖尿病になる前は、170cm強の身長に対して75kgほどありました。少し太り気味でしたね。

ご飯は茶碗にいっぱい盛っていましたし、朝はよくあんドーナツを食べていました。体型も納得ですよね。

■おや?ホウクのようすが…
特に何を始めたということでもないのに、高校1年の秋頃から痩せていきました。

塾で先生から「最近痩せてきたね」と言われたり。体重を測っていた覚えはありませんが、実際に痩せていたのは間違いないです。

加えて、喉の渇きを覚えるようになりました。これは通常の渇きとは決定的に異なるものです。次第に酷くなっていきました。

一番酷かった頃は、塾の授業の開始〜次の休憩まででトイレを我慢するのがやっとというほど。水を飲んだ直後に口の中がくっつくくらい喉が渇きました。話もしづらかったです。

明らかにおかしい、と思い恐る恐るインターネットで症状を検索にかけてみると「糖尿病」の文字が。

注射を自分で打っていくという衝撃的な病気であることはもちろん知っていたので、明確に「なりたくない」と以前から思っていた病気です。

ついに自分がそれになってしまったか…と思い、覚悟して病院に行きました。年末だったので血液検査の結果が分かるのは年明け。ひとまず漢方薬を処方されました。

半ば諦め気味に漢方薬を飲みましたが聞くはずもなく…。年が明けて1月5日だったと記憶していますが、「血糖値が明らかに高いので糖尿病ですね、入院です」と診断されました。

覚悟していたので、あまり驚きはありませんでした。すぐに別の病院を紹介され、2週間の入院生活が始まりました。

■涙にゆがむカツカレー
初日、「入院前に最後、好きなものを食べてください」と医者に言われました。病院で母親と食べたカツカレーは忘れられません。言葉にできない思いから涙が出ました。

入院生活自体は不自由なく快適なものでした。一般にまずいと言われる病院食ですが、私の入院した病院はとても美味しい食事を提供してくれました(正直、家で食べるよりも…?)。

ご飯の量はさすがに減らされました。多くて150g。始めてみたときは「こんなに少ないのか」と驚きました。でもすぐに慣れるものですね。

時には友達が見舞いに来てくれたりして、大変励みになりました。

そして2週間経過し、退院の日を迎えました。

ところで実はこの1型糖尿病、白人には多いのですが日本人には稀な病気です。当時「10万人に1人」と聞いた覚えがあります。

日本人に多いのは2型糖尿病で、こちらは生活習慣病です。一方1型糖尿病の原因はよく分かっていないそうです。

そんなこともあって貴重な研究材料なので、本来多額の費用がかかる遺伝子検査を無料で提案され快諾しました。

しばらくして正式な検査結果が出て、これをもって「1型糖尿病患者」となりました。

■アフター
入院当初、体重計に乗ると59kgまで落ちていました。

さすがにインスリン注射治療を開始して体重も復活していきましたが、それでも食事量が変わって無駄に太らないので60kg台前半という理想的な体重に落ち着きました。

そして今、紆余曲折ありましたがボルダリングをやるなどして健康維持に努めています。

現在は175cm、70kgです。やや胴に重りが付いていますが、体脂肪率は12〜15%ぐらいでいい感じです。

病気になったおかげで食事量に気を配るようになりましたし、食材の質にもこだわるようになりました。運動もして筋肉がつき、かつてと見違えるほど見た目は健康的です。

貝原益軒の『養生訓』にもこのようなことが書かれていましたが、今の健康は病気になったおかげだなとつくづく思います。

与えられた境遇で精一杯頑張るというのは大事なことですね。